更年期障害 男性
更年期障害というと女性特有のものというイメージがあるかもしれませんが、実は男性にも更年期障害があります。
日本人男性の約600万人の男性が更年期障害の症状を抱えてると言われています。
あなたが30歳代後半から70歳代男性でこのような症状があれば、もしかすると更年期障害かもしれません。
- 夜中に目が覚めて眠れなくなる
- 朝に立たなくなる
- 怒りっぽくなる
- 皮膚がたるむ
- シワが出る
- やる気が出ない
- 集中力・判断力・記憶力が低下する
男性の更年期障害の原因
男性の更年期障害は30歳代の後半から50歳代の働き盛りの男性に多く、ちょうどその頃は職場の責任や子供の教育問題などを抱えることも多く、身体の不調や精神的な不調を訴える人が多くなります。
ただし60歳、70歳代で発症する方もいて、男性の更年期障害は長期にわたる場合があり、この点では数年で終わる女性とは違います。
テストステロンの低下
テストステロンとは男性ホルモンの一種ですが、加齢に伴いテストステロン値が低下することによる症候をLOH症候群、または加齢性腺機能低下症と呼びます。
女性の場合は「エストロゲンの減少」が更年期障害に関わりますが、男性の場合はそれに相当するのが「テストステロンの減少」です。
LOH症候群
男性ホルモンが急激に減少する場合は男性更年期障害(LOH症候群)の症状が顕著に現れやすくなります。
男性ホルモンが徐々に減少していく場合は、影響も比較的軽い場合が多いようです。
ただし、男性更年期障害(LOH症候群)の症状であるにも関わらず、他の病気と診断されてしまうこともあります。
LOH症候群の症状
LOH症候群(加齢性腺機能低下症)は、うつ、性機能低下、認知機能の低下、骨粗鬆症、心血管疾患、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性の悪化、HDLの低下、コレステロール値とLDLの上昇に寄与し、メタボリック症候群のリスクファクターになります。
男性の更年期障害度をチェック!
男性の更年期障害の症状(LOH症候群)には、様々な症状がありますが、それをチェックするリストがあります。
簡単にできるので気になるかたはチェックしてみましょう。
《加齢男性症状調査表(AMSスコア)》
症状 | なし | 軽い | 中等度 | 重い | 非常に重い | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 総合的に調子が良くない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
2 | 関節や筋肉の痛みがある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
3 | ひどい発汗がある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
4 | 睡眠の悩みがある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
5 | よく眠くなる、しばしば疲れを感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
6 | イライラする | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
7 | 神経質になった | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
8 | 不安感がある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
9 | 体の疲労や行動力の低下を感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
10 | 筋力の低下がある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
11 | 憂うつな気分になる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
12 | 「絶頂期は過ぎた」と感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
13 | 「力尽きた」「どん底」にいると感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
14 | ひげの伸びが遅くなった | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
15 | 性的能力の衰えがある | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
16 | 早朝勃起の回数が減少した | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
17 | 性欲の低下を感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
合計 | 点 |
全ての項目の合計の点数が高いほど、男性ホルモンが低下している可能性が高い状態です。
27点~36点:軽度
37点~49点:中等度
50点~:高度
男性の更年期障害を改善するには
テストステロンの分泌量は生活習慣や環境によって大きく変わると言われています。
したがって男性更年期障害の改善には生活環境や生活習慣の改善がとても重要になります。
《適度な運動》
だらだら散歩よりも、スロージョギング、筋肉を使うスポーツ、競い合うスポーツがおすすめ。
《規則正しい生活》
質の良い睡眠のためにも規則正しい生活を。
1晩の徹夜でテストステロンが2、3日も下がりっぱなしになるそうです。
《十分な睡眠時間》
睡眠中はリラックスして副交感神経優位となり、テストステロンが分泌されます。
《やりがい》
仕事や生活に張り合いや、やりがいが出るような行動をしましょう。
《それでもだめなら・・・》
更年期障害の改善はこうした生活環境の見直しが必要になりますが、それでも改善しない場合はテストステロン補充療法や漢方薬などの対処法があります。
テストステロン補充療法については注射と塗り薬があります。しかし男性更年期障害において、テストステロン補充療法は保険適応がありませんのでご注意ください。
漢方薬でよく便われるのは、テストステロンを増やす効果がある補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。
男性の更年期障害でお困りの方は医療機関に相談してみましょう。
男性ホルモンを増やす食べ物
男性ホルモンを増やす食べ物をご紹介します。
【体のべ一スを作る食べ物】
牛肉、豚肉、肉鶏、魚、卵、牛乳、豆類などの良質のたんぱく質を摂りましょう。
【男性ホルモンを増やす食べ物】
タンパク質をネギ類、ネバネバ食品、アボカドなどの食材を一緒にとると効果的と言われています。
アボカドとネギの納豆和えなんていいですね。
男性が好きなガーリックステーキやレバニラもおすすめです。
そういえば男性が好む食べ物は潜在的に男性ホルモンを増やす食べ物が多いかもしれません。
更年期でお悩みの男性は、これらの食品を多くしてみてはいかがでしょうか。
更年期 男性
余り知られていませんが更年期障害は男性にも起こります。
【男性ホルモン】
男性の場合は男性ホルモンであるテストステロンの減少によって起こり、
- 性欲が低下
- 夜よく眠れなくなる
- イライラ
- 不安感を感じやすくなる
等の症状が出てきます。
テストステロン
テストステロンは勃起させたりやる気を出させたり不安感を抑える働きをしているため、それが不足する事によりこのような不調が起こってくるのです。
【症状】
その他にも女性の更年期障害と同じように暑くないのに急に発汗したり、何も悲しくなるような事がないのに涙が出てくるなどの症状を訴える人もいます。
【ヒゲ・勃起】
ヒゲの伸びが遅くなったり早朝勃起の回数の減少など肉体的な症状もあります。
【筋力の低下】
非活動的になるので骨粗しょう症や筋力の低下、内臓脂肪の増加の原因となる場合もあります。
【加齢/生活習慣病】
原因は加齢や生活習慣病などにより動脈硬化が進んで精巣への血流が悪くなりテストステロンが作れなくなったり、強いストレスに長期間さらされている事などがあげられます。
家族の理解が負担を減らします:男性の更年期障害
男性に限らず更年期は誰にでも訪れます。
ただ、更年期障害の出方はその人によって違い、症状が重くて日常生活に支障をきたしてしまう人もいれば、それ程強い変化を感じる事無く気が付いたら更年期を過ぎていたという人もいます。
家族が更年期障害を感じている場合、重要な事の一つが周りの理解です。
本当はしっかりと動きたいし、頑張りたい、でもどうしても動けないしすぐに疲れてしまう、精神的にも不安定になってしまう、それを最も感じているのは本人です。
強いストレス
時にはそういった自分の状況に対して苛立ちを覚えていたり、そこから強いストレスを感じて別の病気を発症してしまう可能性もあります。
そんな時、家族がしっかりと理解してくれたらどうでしょうか。
ホルモンのバランスの為にこうなっている、さぼっている訳ではない、できない事はみんなで協力しよう、そういった姿勢・態度を見せてくれるだけでもかなり違うと言って良いでしょう。
更年期障害はいつまでも続く訳ではありません。
その時の本人の負担を軽減し、さらに家族全員の笑顔を守る為にも、しっかりとその人の症状を理解して対応しましょう。
病院の診療・外来
病院の診療・外来に関しては、
男性専用の更年期障害科はないため、症状に合わせて泌尿器科・精神科などになります
出典:
LOH症候群(加齢性腺機能低下症):順天堂大学医学部付属重点同医院