更年期障害と睡眠
特に寝不足とわけでもないのに、いつもぼんやり眠いことありませんか?
日中の「眠気」は更年期症状の一つにあり、多くの方を悩ませています。
車の運転中や仕事中に襲ってくると睡魔は本当に困ったものです。
今回はそんな更年期障害と睡眠・更年期世代を悩ます日中の眠気の原因と対策についてお話したいと思います。
更年期に眠いのは、
女性なら、女性ホルモンの「エストロゲン」が、セロトニンなどの増減や活性に関与していると言われています。
男性なら、男性ホルモンの「テストステロン」が関係しているとされています。
「エストロゲン」と「テストステロン」は男女共に40歳代後半から50歳代前半に減少する傾向がありますので、その頃になると様々な更年期障害の症状が現れてきます。
多いのが「ほてり」あるいは「ホットフラッシュ」と言われている、気温に関わらずカーっと突然暑くなる現象。
また気持ちが不安定になりイライラしたり、頭痛やめまい、肩こり、冷え性など、ありとあらゆる症状があり、また人によってさまざまな種類や程度があります。
その中の一つとして睡眠障害があります。
更年期になり今まで分泌されていたホルモンが減少すると、自律神経に影響が出てきます。
そのことにより眠りがおかしくなる(更年期にありがちな睡眠障害)のです。
更年期に起こる睡眠障害
更年期に起こる睡眠障害とは大きく以下の4つのタイプに分類されます。
- ≪入眠障害タイプ≫
入眠障害とはなかなか寝付くことができないタイプのことを言います。
床に入って寝つくまでに、30分~1時間以上かかることもあります。
精神的な問題、不安や緊張が強いときなどにおこりやすいといわれています。 - ≪中途覚醒タイプ≫
入眠後、翌朝起きるまでに何度も目が覚めるなら中途覚醒のタイプです。
睡眠中に何度も目が覚めたり、一度起きたあとなかなか寝つけなくなることがあります。
日本の成人の方では、不眠の訴えの中で最も多く(15~27%)、中高年でより頻度が高いといわれています。 - ≪早朝覚醒タイプ≫
朝、予定時間より2時間以上前に目が覚めてしまい、その後眠れなくなってしまうタイプ。
高齢者に多くみられる傾向があります。 - ≪熟眠障害タイプ≫
睡眠時間を十分にとったのに、深く眠った感覚が得られないタイプ。
ほかのタイプの不眠症を伴っている場合も多くあります。
更年期障害時の眠気対策
更年期に起こる日中の眠気の予防法や解消法をみてみましょう。
以下のようなちょっとした生活の工夫で、睡眠環境はよくなるはずです。
毎日のことなのでできる範囲で工夫すると良いでしょう。
規則正しい生活リズムを心がける
- 毎日同じ時間に起き
- 同じ時間に食事をし
- 同じ時間に就寝する
「生活リズムを整える」ことが、体内時計を整えるのに何より大切です。
休日前は夜更かしし、休日は朝寝坊、こんなリズムを乱すことがないように心が得ましょう。
特に起床後は脳を覚醒させる意味BUT すぐにお日様を浴び幸せホルモンの「セロトニン」の分泌を促しましょう。
更年期のイライラや気分の落ち込み対策にも大切です。
寝具の見直しをしてみる
「煎餅布団が身体に良い」と、思い込んでいる人はいまだにいます。
ですがこれは間違い。
本当に合った枕の高さマットレスの硬さは、人によって違いますので、寝具を選ぶときは立っている背骨のラインをキープできるものを選び、硬すぎず柔らかすぎず、適度な弾力があるものを使いましょう。
また、布団にダニがいないように定期的に干すか布団乾燥機を利用して清潔にしておくことが大切です。
人は身体にダニが這うと無意識に気にしているそうです。
眠るときに着るパジャマは綿やシルクなど天然素材がおすすめ。
化学繊維は静電気でチクチクしてしまいますので、睡眠の妨げになりえます。
形はいわゆる「パジャマ」が通気性の面で断然よく、スエットのように手足を絞ってない形の方が通気が良いのでおすすめです。
入浴で睡眠の導入をスムーズに
良い睡眠のために、入浴はとても大切です。
人は体温が下がっていくときに睡眠に入り、眠りから覚めるときに上がっていくという特徴があります。
就寝30分から1時間前に入浴で体温を上げて、その反動で体温が下がるその時を睡眠導入に充てるのが理想です。
ただし、寝床に入るタイミングが早いと体温が下がりきらないままとなってしまい、逆に寝付けなくなることになりますので、入浴後30分経ってからにします。
短時間の昼寝をする
どうしても眠いなら昼寝をするという手もあります。
車の運転やどうしても我慢できない場合はやむ得ません。
ただし夜の睡眠を妨げるので、もし昼寝をするなら時間は16時以前で、30分以内にというルールで。
不眠を改善するには?
更年期女性の約半数が不眠になると言われます。
不眠恐怖が生じて慢性化の危険もあると言われています。
- 不眠の原因・症状と対処方法
- 更年期ではどんな睡眠障害が多い?
- 不眠、寝つきが悪い、眠りが浅い悩み
- 更年期の睡眠障害、よく眠れる方法を紹介します。
- 不眠|更年期のさまざまな不調で悩み
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトにも紹介されていました。
女性の体は
- 「月経」:月経前は、やたらとねむい
- 「妊娠・出産」:妊娠中も眠たくてぼーっとする・出産後は、まとめて眠れない
- 「閉経」:更年期は眠りが浅くなる
を通して、大きなホルモン変化にさらされています。
それに伴い睡眠も変調をきたしやすいのです。月経前には日中の眠気、妊娠中には日中の眠気や不眠、出産後は睡眠不足、そして更年期には不眠になりやすいという特徴があります。各ライフステージを分けて理解しておきましょう。
更年期は眠りが浅くなる
更年期女性の約半数が不眠になります。加齢により睡眠は浅く短くなりますが、のぼせ・発汗・動悸などがきっかけとなり、深く眠れないことが多いようです。
これをきっかけに睡眠へのこだわりが強くなったり、不眠恐怖が生じて慢性化してしまうこともあります。
更年期には女性ホルモンが激減するだけでなく、子供の独立や身体の衰えなど多くのストレスに直面し、様々な更年期症状が出現します。
また閉経後には睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まりますので、正しい診断を受けてください。
治療
治療法ですが、基本的には不眠のタイプに応じた睡眠薬を用います。
不安やうつ傾向などがある場合には、抗不安薬や抗うつ薬を併用します。
社会的役割が重い場合でも、周囲の協力を得て適度な休養をとるようにしましょう。
こもりがちにならず、趣味やスポーツなどを楽しみましょう。のぼせなど血管運動神経症状が眠りを妨げている場合には、ホルモン補充療法が有効といわれています。適切な処方と管理が必要ですので、婦人科医に相談しましょう。
サプリメントで症状緩和
更年期症状の緩和としてサプリメントがあります。
これらのサプリメントは睡眠障害のほかに、様々な症状を緩和してくれるのでとても人気があります。
直接的な睡眠障害の対処として睡眠導入剤を飲む前に、根本的に更年期症状を緩和させるサプリメントは薬ではなく食品ですので身体に優しいです。
毎日続けて飲むのには薬よりサプリメントをおすすめします。
ご自分に合ったサプリ選びの目安として参考になればと思います。